研究プロジェクト:日米の立法経験から見る中国新<証券法>の下の投資者保護制度
研究者:上海交通大学日本研究センター助理研究員 朱翘楚
研究内容:本研究は先行賠償、証券法行政手続きにおいての和解制度及び中国式の集団訴訟制度などについて、日本とアメリカの成文法変遷、判例法発展を整理紹介し、中国資本市場法律制度の完備と中国の実情に合う投資者保護制度の構築に有益な参考に供する。本研究は以下の三つの角度から論ずる。
(1)民事訴訟を強調するアメリカと、公権力である行政監督を中心とする日本は、それぞれどういう理論づけをもとに各自の上場会社による虚偽記載の規律制度を構築したのかという問題を解明する。
(2)投資者保護の点において、日本とアメリカはそれぞれどういう制度を選択したのか、その制度は有効であるか、成り立ってから、どういう問題が生じたのかを解明する。
(3)中国の実情に合う集団訴訟制度を作る際に、日本とアメリカの数々の経験の中、何が我々の参考になるかを論ずる。
研究方法:本研究は立法論に着目する。伝統的な比較法式な研究方法以外、実証研究を用いてアメリカと日本の法律制度の実効性と問題点を模索することも試みる。その次に、定性研究の研究方法を用いて2019年に訂正された中国新<証券法>が実際運用において生み出された問題点を探り、日米の経験に照らして有益な解決方法を提案する