2020年9月26日午後、上海交通大学徐滙キャンパス北第四棟206会議室で上海交通大学日本研究センターが主催、日東電工(中国)投資有限会社は支援する上海交通大学日本研究センターNitto寄付講座契約調印式第2期並びに2020年Nitto専門講座第一講(総第五講)「日本の伝統文化と現代化転換―東アジアの比較視点から」が順調に行われた。上海復旦大学文史研究院及び歴史系特別聘用教授、第1回中国図書賞の受賞者葛兆光教授と中欧国際工商学院終身名誉教授、孫治方経済科学の受賞者許小年教授は、講演者を務め、元の上海国際問題研究所日本研究室長、上海交通大学日本研究センターの学術委員会主席呉寄南教授は評議者を務め、上海交通大学文系教授、日本研究センター長季衛東教授は司会を務めた。同時に、数多くの学者と実務家は本講座に出席した。
まず、上海交通大学の日本研究センター長季衛東教授と日東電工(中国)投資有限会社の城勝義氏はそれぞれ双方を代表して第二期寄付講座契約に調印した。
そして、城勝義董事長は日東電工(中国)投資有限会社を代表して式辞をした。彼は、本講座のテーマが日本の研究状況に非常に相応しいであり、皆様の講座の中より、大変な勉強になれると示した。
式辞の後、季衛東教授の司会の下で、主題講演が始まった。一人目の講演者である上海復旦大学文史研究院及び歴史系特別聘用教授、第1回中国図書賞の受賞者葛兆光教授は、「皇帝の権力と革命:日中の伝統政治文化の構造の異なり、その一」をテーマとして、講演をした。
葛教授は、皇帝の権力と革命を主たる角度より、日中の伝統文化の構造の異なりを展開して講演をした。最初、葛教授は概括的に明治維新以前の日本と中国の政治権力の構造についての相違点を対比した。そして、彼は、渡辺浩等の学者の観点を引用して、明治維新時期において、日本の「大政奉還」と「廃藩置県」の本質は中国の体制(古代)に転換する。しかし、この古代中国の体制(中央集権と郡県制)への転換が終わってから、日本は徐々に現代化してきた。その反面、より早くこの制度を築いた中国は現代化への転換することが失敗した。以上の論述により、葛教授は本講演の主題「日中伝統の政治文化の「構造性」は一体何だろうか」、「「根本性」の相違点」を引き出した。
続き、葛教授は「湯武放伐」、西周時期の神権政治思想「以徳配天」の本質は革命であるか反乱であるかという典型的な議論を切り口として、日中の政治権力の合法性に関する思考回路の相違点を指摘した上、4つの具体的な相違点を提出した。第一に、中国の皇帝と天皇の権力を比較して「天無二日」と「民有二主」の相違点を論述した。第二に、君主と臣下、君主と朝廷、国家と主人を手掛かりとして、忠誠と背叛を議論し、政治論理の絶対的と相対的な相違点を指摘した。第三に、「黒船来航」、「日本の開国」、「大政奉還」から、「明治維新」までの歴史進展における権力の紛争を論述したことより、王朝の変化と「咸与に維れ新たなり」の相違点を論述した。第四に、4つの小問題から、日中の異なる伝統文化における「革命」と「放伐」の相違点を議論した。
二人目の講演者である中欧国際工商学院終身名誉教授、孫治方経済科学の受賞者許小年教授は、「日中現代化の進展における国家の逆説」というテーマを講演した。
許教授はまず、自ら政治を研究しかけた初心は、中国現代化改革を歴史進展において、諸経済問題を研究する。続き、彼は現代制度の体系を観念子系統、経済子系統と政治子系統と3つに分けた。これらの系統に基づき、日中現代化進展における制度の問題を議論した。許教授は、日中両国とも外部の圧力の影響が及ぼされたから、現代化への転換が展開し始めた。当時の政権は土地と国民を守れず、その合法性が動揺されたため、現代化の改革が進めなければならなくなった。しかしながら、日本の改革は政治子系統より始まったに対して、中国の改革は経済子系統より始まったことを指摘して、日中の歴史経験を比較した。そして、許教授は詳細に日本の明治維新、大正民主時期と昭和時代における日本の軍国主義に転換した時期の政治・経済の状況を紹介し、日本現代化の進展における国家系統の調和と一致は表側に過ぎないので、このような単極構造は多元の利益を処理することができず、内部には不安定性が存在していたと指摘した。
次に、許教授は中国経済の現代化進展を言及し、改革開放の巨大の成績を肯定した。政治体制を維持するとともに、社会の安定性をも積極的に保証することができるからこそ、国内の経済が高速で増やしている。しかし、同時に、彼は現在の中国において、実効的な個人資産を保護する手法が少ないので、イノベーションのモチベーションの不足の問題が生じて、経済の増長に影響を及ぼすかもしれない。したがって、国内において、部分的な現代化の子系統の不適合性と不安定性が明らかになった。
講演が終了した後、元の上海国際問題研究所の日本研究室長、上海交通大学の日本研究センター学術委員会会長呉寄南教授は、前述の2つの主題講演に対して、見事な評価をした。呉教授は、2名講演者はそれぞれ歴史学と経済学の角度から、日中伝統の政治文化について分析した深い見解であると表した。そして、彼は、日中の伝統政治文化が大きく異なっているが、両国の現代化は同様な道を選んだ。その中、物事の現代化には限らず、制度の現代化も含めた。日本は東アジア改革の先行者であるため、日中両国は改革開放の展開について、相互に教訓を汲み取り、勉強する意義がある。
評議の後、来賓の質問応答の一環に入った。葛教授と許教授は、積極的に現場の聴衆と交流して、非常に盛り上がった。その中、ある方は政治系統が後退する背景の下で、経済系統の発展の傾向について、質問した。許教授は、政治の経済に対する重大な影響を強調し、政治の後退することが個人資産の保護の問題が生じるし、経済の長期な不況に陥るため、政治系統の安定性はかなり重要であると指摘した。
許小年教授の質問応答の一環
次に、上海交通大学国際と公共事務学院の陳映芳教授と上海交通大学凱原法学院の高全喜教授は、本講座をまとめた。
陳映芳教授が発言
高全喜教授が発言
最後に、上海交通大学外国語学院党委員書記、日本研究副センター長丁剣氏と日東電工(有限)投資有限会社の董事長城勝義氏は、それぞれ葛兆光教授と許小年教授が今回Nitto専門講座に見事な講演と長期にわたって日中の研究と交流に卓越な貢献をできたことに感謝状を賞与した。
そして、季衛東教授と上海交通大学国際交流事務所の副所長、日本研究副センター長蔡玉平氏は、共同で呉寄南教授が日本研究センターに対して、書物を寄与することと長期にわたって支持と指導していただくことに感謝状を賞与した。
呉寄南教授の書物寄与式
季衛東センター長と呉寄南教授は寄与書物の前での共同写真
一部来賓の集合写真
全員の集合写真